EMF211型ガンマ線スペクトロメータに最新型の高分解能CeBr3検出器が加わりました。
従来のNaI検出器に比べ高分解能・高速・高密度なため高精度な測定が可能です。
2インチCeBr3検出器はおよそ150μSv/hの高線量率下でも高分解能に測定できます。
特徴
高分解能
CeBr3検出器は従来のNaI(Tl)検出器に比べ約1.5~2倍の高分解能です。
下記はCs-134・Cs-137、およびCo-60の測定例です。
CeBr3検出器の分解能(FWHM):Cs-137(662keV)において4%、Co-60(1332keV)において3%
NaI(Tl)検出器とのスペクトル比較例
Cs-137+Cs-134の混在場(0.600μSv/h)における15分間測定例(リニア目盛)
Cs-137+Cs-134の混在場(0.600μSv/h)における15分間測定例(ログ目盛)
ローバックグラウンド
同様の高分解能LaBr3検出器と比べ、自己放射能が少なく2インチ・3インチサイズでの実用化が可能になりました。
次のグラフは空間線量率0.080μSv/hの室内に設置した鉛100mm厚+内側真鍮6mm厚の遮蔽体内で2インチCeBr3検出器を10時間測定したBGスペクトルです。
性能比較
シンチレータ | CeBr3 | LaBr3 | NaI(Tl) | CsI(Tl) | BGO |
---|---|---|---|---|---|
分解能(%)@662keV | 4 | 3.5 | 6.5 | 7 | 14 |
密度(g/cc) | 5.2 | 5.3 | 3.7 | 4.5 | 7.1 |
減衰時間 | 18ns | 26ns | 250ns | 1000ns | 300ns |
取扱いが簡単
検出器はわずか0.75Wの消費電力のため、ノートPCのUSB端子から供給される電源で長時間測定が可能です。 測定は本器専用に開発されたスペクトルサーベイメータソフトで簡単に行えます。 さらに付属の英文MCAソフトでは検出器の詳細な設定が可能で大学や研究機関での使用に便利です。
製品構成
<標準付属品>
- ガンマ線スペクトロメータ本体(CeBr3検出器・光電子増倍管・DPP・MCA一体化)
- アルミケース
- 英文MCAソフト
<オプション>
- 大型三脚及び水平・垂直取付冶具